データ復旧の豆知識

初期診断(しょきしんだん) / 初期調査(しょきちょうさ)

会社によって呼び方も実際の作業もまちまちですが、当協会では、データ復旧のために行う「調査」とは、お預かりしたメディアの障害タイプ(論理障害/物理障害)を判別し、中に入っているデータのうち、どの程度(お客様がご納得できる復旧結果)となるのかを調査し、その結果をお知らせすることを指します。 従いまして、お客様は最終的に復旧依頼をするかしないかの判断をされる際、この調査結果に基づいてご判断いただけます。但し、この調査によりメディアに入っているデータの全ての情報が分かるということを保証するものではありません。 データ復旧会社を選択される場合、調査の段階でどの程度の情報の提供が可能かは、データ復旧会社を選択する場合の重要な判断材料となりますので、事前にお確かめになることをお勧めいたします。

復旧率(ふっきゅうりつ)

復旧率の算定方法も業界として統一されたものはありません。従って、各社がHPで発表している復旧率の基準も各社バラバラです。一般的には、復旧できた件数/受付件数と考えると思われがちですが、その通りに計算式で提示しているかどうかは、各社にお問い合わせ下さい。寧ろ、復旧できたデータ容量/受付データ容量と考える方が適切という意見もあります。

例えば、少ない容量で復旧できる場合と多い容量の場合、同じ1件と考えるのは無理があります。しかし、元のデータ容量が把握できない場合も存在しますので、正確な数値を算出することも不可能です。又、復旧ソフトで修復できるような案件も取り込んでいる会社の復旧率は高くなりますが、ソフトの販売も行っていて、お客様に紹介したり、簡単な手法をアドバイスする企業、他社で出来なかったような障害の取り扱いが多い企業の復旧率は低くなります。

従いまして、復旧率=技術レベルではないことをご理解下さい。寧ろ、復旧率の高さを宣伝文句にしていない企業の方が良心的とも言えます。

なぜなら、復旧率は日々刻々変化していますし、取り扱いのメディアの種類によっても大きく変わってくるからです。

復旧期間(ふっきゅうきかん)

復旧作業にどの程度の時間が掛かるかは、気になるポイントの一つですが、最近のようにHDD容量が飛躍的に増えてくると、どうしても復旧時間が長くなる傾向にあります。

また、メディアの障害状況によっても、時間は大きく変わってきます。従いまして、復旧時間に制約がある場合、要望時間内に出来るかどうかをお問い合わせになることをお勧めいたします。

更に、RAIDや昨今増えてきている仮想化されたメディアの場合、時間が長くなること、実際に調査を完了するまでは間違いの無い予測は出来ないことをご理解下さい。

論理障害(ろんりしょうがい)

ファイルの誤削除や誤フォーマット等によってファイルのアクセスに支障がある場合を指します。

HDDには物理的な障害がなくても、ファイルシステムの障害でファイルにアクセスできなかったり、OSが起動しなかったりする事をさします。

物理障害(ぶつりしょうがい)

メディアが電気的、機械的に故障している場合のことです。システムが認識しない場合、異音が発生したり、ファイルへのアクセスが異常に遅かったり出来ない場合等を指します。

この場合、データ復旧を行うためには、破損している部分を修復したり、特殊な設備を使用しなければなりませんので、時間も掛かってしまいます。

データリストの提供の有無とハードディスクへの影響は関係ありません

Q. データ復旧サービスを探しているのですが「復旧可能なデータリストを事前に出すサービスは危険なので止めた方が良い」と、どこかで読んだのですが、そういったことは本当なのでしょうか? 大事なデータを消失して心配な上、復旧可能なデータリストを確認したいのに、このようなことを言われると他に問い合わせも出来ず、心配が増すばかりです。

A. まずデータリスト提示の本来の目的は、お客様のデータが無事復旧出来ることを明確にお伝えするためであり、お客様ご自身が依頼されるサービスにおいて論理障害や物理障害など様々な障害に対する作業の結果であることから、データリスト提示の「事前、事後」は、これらを提供するサービス自体の危険性とは全く無関係となります。

しかし深刻な障害媒体のデータ復旧はワンチャンスの場合もあり、作業の内容によっては障害の悪化により以後同様の復旧結果が得られなくなる可能性があることも事実です。

だからこそ他の選択肢を阻害するような対応や巧妙な説明でお客様の判断を狂わせることの無い、信頼出来るデータ復旧企業に依頼することが重要なのです。

日本データ復旧協会では、お客様からお預かりしているメディアを慎重に取り扱うことはもちろんのことですが、事前、事後のどのような工程であれ、お客様にとって有益と判断される場合、お客様にとってご自身の欲しいデータが復旧できるのかどうかが重要であるとの観点から、これを「データリスト」という形で可能な限り提示することを加盟各社に推奨しています。

協会会則第7条(入会規則)に、「顧客に対し復旧の最終意思を確認する場合、その時点で可能な顧客の求める情報を提示していること」と定めております。